プロジェクトの背景と目的
2024年4月に「孤独・孤立対策推進法」が施行されるなど、孤独・孤立の問題は社会全体で重要な課題として認識されています。しかし、孤独や孤立の状態にある人が、自ら行政の窓口や既存の制度・福祉サービスにつながることは容易ではありません。特に、既存の支援制度の適用を受けられない「制度の“はざま”」にいる潜在層へのアプローチが大きな課題となっています。また、「誰が、どのようなことにどれくらい困っており、どのような支援が有効か」という当事者の実態やニーズが定量的に可視化されていないという課題も存在しました。
本プロジェクトは、これらの課題に対し、多角的な支援導線の検証とデータ分析を複合的に組み合わせることで、孤独・孤立に陥っている当事者の実態と効果的なアプローチ方法を可視化することを目的としています。最終的には、政策提言に繋がる全国再現可能なモデル構築を目指しています。

実証プロジェクトの具体的内容
本プロジェクトでは、効果的な孤独・孤立対策のあり方を検証するために、以下の取り組みが複合的に実施されました。
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多様なニーズに対応する相談支援ツールの構築・運用
LINE公式アカウントを基盤とした新たな相談支援ツールを構築・運用しました。このツールでは、相談者の状況や困りごとの深刻度、ニーズに応じた3つの支援導線を提供しています。-
AIによる個々の状況に応じた情報提供
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福祉特化AIによる自動相談窓口
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福祉専門相談員による有人相談窓口
これにより、「制度の“はざま”にいる潜在層」から深刻な悩みを抱える方まで、幅広い市民に対して切れ目のない支援を提供しました。
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多様なチャネル、種類を活用したオンライン広告による周知
支援を必要とする潜在層を支援窓口へ誘導するため、オンライン広告を配信しました。世代や想定される課題に応じてターゲティングされたWeb広告を配信し、LINE公式アカウントへ誘導することで、潜在層への情報伝達を実現しました。 -
効果検証
実証プロジェクトを通じて得られた各種データ(アクセス状況、相談内容、アンケート結果など)を詳細に分析し、孤独・孤立の実態を定量的に可視化しました。
先進性と独自性
本実証プロジェクトは、以下の点で先進性と独自性を有しています。
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実態の定量的な可視化
支援窓口の多様化に加え、オンライン広告から相談行動、支援導線の利用傾向に至るまでを一気通貫でデータ分析し、その結果を次年度以降の孤独・孤立対策の施策改善に活かす仕組みは、全国の自治体でも例を見ない取り組みです。 -
課題の深さの検証と相談ハードルの低減
AI相談の設置により、「解決してほしいわけではないがもやもやしている」といった課題の深刻度が比較的浅い層にも対応できる支援導線を設けました。これにより、従来の相談窓口では難しかった「傷が浅いうち」の早期支援への接続を目指します。 -
制度の「縦割り・はざま」の解消
既存の生活困窮者支援、高齢者の見守り、子育て支援など分野横断的な堺市の施策や窓口に対し、AIが分野を横断して個々の状況に応じた情報提供を行うことで、当事者と適切な支援をつなぎます。これにより、従来の行政の「窓口」主義により生じていた住民のたらい回しを防ぎます。
今後の展開
本事業の成果は、堺市における孤独・孤立対策に活用され、自治体における孤独・孤立対策のモデルケースとなる政策実現へと繋がることが期待されます。
株式会社想ひ人の詳細については、以下のウェブサイトをご参照ください。
https://www.omohibito.com/
堺市の孤独・孤立対策に関する情報はこちらでも確認できます。
https://www.city.sakai.lg.jp/kenko/fukushikaigo/kodokukoritusoudan.html



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