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「信じないシニア」と「知らない若者」:オールドメディア離れの背景にある3つの理由と世代間の意識差

ニュース

調査概要

今回の調査は2025年12月16日から12月18日にかけて、株式会社シスコムの自社調査としてインターネットで実施されました。集計対象は全国の男女577名で、10代(15~19歳)、20代、30代、40代、50代、60代以上の各年代から均等に回答を得ています。

オールドメディア離れの背景

最も信頼できるメディアは「テレビ」、20代は唯一「SNS」が首位

ニュースや情報を取得する際に「最も信頼できると思うメディア」を尋ねたところ、全体ではテレビが54%(312名)で1位となりました。20代を除く全ての世代でテレビが最も多く選ばれており、SNSや動画サイトの利用率が高い世代であっても、信頼性の観点ではテレビが優位であることが示されました。一方、20代では「SNS・動画共有サイト」がトップとなっています。

最も信頼できるメディアのグラフ

オールドメディアのメリット:「特になし」が最多、しかし災害大国ならではの需要も

「新聞やテレビなどのオールドメディアは、インターネットやSNSなどのニューメディアに比べて、どのような点で優れている(メリットと感じる)と思いますか?」という質問に対し、「特にメリットはない」が33.6%(194件)で最多となりました。

また、「報道が公平・中立的であると感じる」という項目では、10代と60代以上で約3倍の差が見られ、世代間の価値観の差が浮き彫りになりました。60代以上がテレビ・新聞を公的な情報源として信頼する一方、10代は多様な視点に触れることで一つのメディアを絶対視しない傾向があると考えられます。

しかし、「信頼性が高い」(32.6%/188件)や「緊急時の情報源として欠かせない」(28.4%/164件)といった回答も多く、日常的なメリットは感じられなくとも、非常時には必要であるという意識がうかがえます。

オールドメディアのメリットに関するグラフ

メリット(優れている点)意見ランキング

具体的なメリットとして寄せられた意見は以下の通りです。

  1. 信頼できる・チェック体制がある
    「個人が発信するSNSなどとは違って、オールドメディアは会社として発信しているため」(20代)、「匿名性が高いネットの情報は信用性が低い」(30代)といったコメントが多く、SNSのフェイクやデマへの不信感の裏返しとして、組織としての取材力や校閲・審査に価値が見出されています。若年層はSNSの情報見極めを意識し、60代以上では現場取材への敬意が示されました。

  2. 緊急時の速報が早い・正確
    「SNSは、緊急時に正確な情報を得られない時があるから」(10代)、「地震の時はテレビをまずつけるから」(40代)など、速報性においてはネットが優位とされる一方、災害時に限ってはテレビへの強い信頼感が全世代で見られました。特に高齢層では、専門家による詳しい解説や特番まで含めて求めている傾向が見られます。

  3. 情報がまとまっている、わかりやすい
    「ニュースの解説があって内容が把握しやすい」(50代)、「映像の方が頭に入りやすい」(40代)といった意見があり、映像や図解、プロによる解説によって短時間で要点が把握できる点が評価されています。60代以上では、プロが編集・選別して提示してくれる「親切さ」に価値を見出す特徴がありました。

番外編として、「テレビをつけていれば勝手に情報が入ってくる(受動的で楽)」といった「情報の受動性」をメリットとして挙げる声も数件あり、検索疲れを感じている層に支持されているようです。

「信じないシニア」と「知らない若者」――オールドメディアから離れる3つの理由

アンケート回答の半数以上がオールドメディアにメリットを感じていない、あるいは批判的でした。メリットを感じていない層を世代別に分析すると、その理由に明確な違いが見られました。

  1. 若年層:メディアとしての「認識不足」
    10代・20代の回答で最も多かったのは「特になし」「使っていないのでわからない」という無関心層の意見です。オールドメディアが日頃の情報インフラから外れている様子がうかがえます。

  2. 中堅層:タイパ(タイムパフォーマンス)の欠如
    30代・40代は、オールドメディアの「受動性(流れてくるのを待つ)」や「スピード感のなさ」にメリットを感じていません。特に40代では、ニュースアプリやWebサイトを利用する傾向が高く、「自分で検索して納得したい」という能動的な情報摂取スタイルと、オールドメディアの一方的な発信が合致しないようです。

  3. 高齢層:激しい「信頼の崩壊」
    60代以上の「メリットを感じない」層の回答は、具体的かつ長文になる傾向がありました。メディアへの期待値が高い分、特定の思想への偏りや他国偏重の報道(回答者が感じる内容)に対して拒絶反応を示しています。「最近は偏向報道もあり、全てが信用できるわけではない」(70代)、「今やテレビや新聞は日本国民の為の、報道や作成をされていない」(60代)といった、「かつての信頼が裏切られた」という文脈の意見も見られました。

「今後も残ってほしいメディア」はテレビが1位

「今後も情報源として残ってほしいと思うメディア」を尋ねた結果、テレビを挙げた回答者が全体の半数(55.3%)に達し、最も多く選ばれました。SNSを主な情報源とする10代・20代の若年層においても「テレビは残ってほしい」という声が根強く、日常と非常時での情報の使い分けという、現代特有のメディア・リテラシーが浮かび上がっています。

今後も残ってほしいメディアのグラフ

オールドメディアの「心理的価値」

自由回答では、若年層が普段はSNS中心でありながらも、多様な視点を得るためにテレビも支持するという「使い分け」が顕著でした。「ニュースは必須。SNSなども最新の情報が得れるため必要」(10代)、「情報の精度と速さ、多様な意見がバランス良く必要だと考えるから」(20代)といったコメントが寄せられています。

また、全世代でオールドメディア(特にテレビ・新聞)に対して、災害時の必要性のほかにも「文化的な面」「精神的な支え」「日常の一部」としての価値を見出していることが分かりました。(新聞に対し)「風情がある」(10代)、(テレビに対し)「昔から大好きだから」(30代)、「番組が時計替わりになるため」(30代)といった親しみや慣れを理由とする意見も見られました。

結論:オールドメディアは「日常の利便性」より「非常時の信頼性」で支持される

今回の調査では、オールドメディアのメリットとして「特にない」が最多でありながら、「残ってほしいメディア」ではテレビが1位になるという、一見矛盾した結果が得られました。しかし、その背景には「いざという時に頼れる存在」としての確かな信頼が存在しています。

若年層も普段の情報収集はSNS中心ですが、情報の不安定さから信頼はテレビに置いていることが明らかになりました。このことから、「オールドメディア離れ」は「利用頻度の問題」であり、「信頼の問題」ではないと言えそうです。

特に、日本が災害大国であるため、「災害対応メディア」としてテレビの存在意義が大きく認められていることが分かりました。オールドメディアが今後さらに存在感を増すためには、若年層にはその必要性をどう示すか、高年齢層には中立性をどう証明するかが鍵となるでしょう。

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