調査から見えてきた主要な変化
18の国・地域にわたる1,000人以上の経営幹部を対象としたこの調査では、以下の重要な変化が明らかになりました。
-
世界的なパラドックスの顕著化: 成長意欲は92%と高水準を維持し、市場環境も良好と評価されている一方、エネルギーコストの上昇、供給リスク、地政学的な不安定性により、事業環境のコントロールは難しさを増し、経営幹部の自信は大きく低下しています。
-
ビジネスに影響を与える主要トレンドの変化: 経済要因(40%)が最大の影響要因となり、AI(37%)を上回りました。エネルギー価格の高騰・供給不足は12ポイント上昇してトップ3(37%)に入り、競争激化(26%)を上回っています。
-
資本と投資の再配分が進行: 投資を拡大する企業の割合は依然として多いものの、各分野でわずかな減少が見られます。資本は、スキル開発や人材確保、新製品・サービスといった従来の優先領域から再配分され、サプライチェーン管理のみが優先度を上昇させています。
-
事業運営と取引関係の見直しに伴う拡張計画の再構築: 経営幹部は、事業運営の強化および取引関係の拡大に向けて、拡張計画の見直しを進めています。主な対象地域としては、大中華圏、ラテンアメリカ、オーストラリア/アジア太平洋地域が上位に挙げられています。
-
AIはリターンの段階へ ―構想から成果へ―: 企業はAI投資の具体的なリターンを確認し始めており、その規模や重点領域における成果の測定も進んでいます。60%以上の企業が最大10%のリターンを得ており、約5分の1の企業では20%を超える成果が報告されています。
多角化が成長の鍵
Forvis Mazars Groupのパートナー兼チーフ・クライアント&マーケッツ・オフィサーであるマーク・ケネディ氏は、多角化が戦略の中核へと移行しつつあるとコメントしています。経営幹部にとっての課題は、市場、サプライチェーン、資本、テクノロジーといった領域において、明確な意図を持って多角化を実行し、過度な複雑性を招くことなくレジリエンスを構築することだと述べられています。特にAIは、生産性向上と競争上の重要な分岐点となる中で、その重要性は一層高まると分析されています。
データによると、将来の成長に対する楽観的な見方は依然として高く、年初以降92%の経営幹部が成長に前向きな姿勢を維持しています。一方で、世界的な不確実性と混乱により、企業に大きな影響を与える外部要因への対応に関する経営幹部の自信は、35%と6カ月前の43%から低下し、パンデミックのピークであった2021年以来の低水準となっています。
経済の余波と投資の再配分
この6カ月で、インフレを含む経済要因がビジネスに影響を与える最大のトレンド(40%)となり、AI(37%)を上回りました。また、エネルギー価格の高騰・供給不足もトップ3に再浮上しています(37%)。サプライチェーンの課題も27%で、初めてトップ5に入りました。
投資を拡大する企業の数は引き続き多いものの、その重点は、人材、サステナビリティ、ブランドといった長期的基盤から、サプライチェーン管理へと移行しています。成長戦略においては、戦略的提携や合弁事業(50%)が、プライベートエクイティ(44%)をわずかに上回りました。これは、柔軟性、リスク分散、そして必要な能力確保の重要性を示唆しています。
事業運営と拡張計画の再構築
経営幹部は、事業運営や取引関係の見直しを進めており、ターゲット市場の多角化に一層重点を置いています。国内および近隣市場への展開を強化する一方、大中華圏、ラテンアメリカ、オーストラリア/アジア太平洋地域を主要な貿易拡大先としています。中東欧地域も、近隣・遠隔の双方から関心を集める唯一の市場として注目されています。
AI投資の具体的な成果
企業の60%以上がAI投資から最大10%のリターンを得ており、約5分の1の企業では20%を超える生産性向上を実現しています。経営幹部は、変革の成果やユースケースの評価をより精緻化し始めており、構想段階から実際の価値創出への移行を明確に捉えつつあります。現在では、社内での導入促進よりも、生産性や顧客満足といった外部成果への重点が高まっています。
マーク・ケネディ氏は、「成長の実現は困難になったわけではなく、依然として十分に達成可能です。ただし、それはより厳しい環境のもとで適切にマネジメントすることが前提となっています」と締め括っています。現在の環境では、多角化は選択肢ではなく、成長に不可欠な条件となっており、戦略に柔軟性を取り込むことがレジリエンスの源泉となると強調されています。
調査概要とForvis Mazars Groupについて
「C-suite barometer 2026中間インサイト」は、世界のC-suite(経営幹部)の動向を把握し、市場環境の変化や事業成長戦略を方向付けるトレンドや優先事項を分析するものです。本独立調査は2026年4月から5月にかけて実施され、18カ国において年間売上高100万ドル以上の営利組織に所属する1,000名以上の経営幹部の見解を収集しています。
Forvis Mazars Group SCは、グローバルプロフェッショナルサービスネットワークForvis Mazars Globalの独立メンバーです。100以上の国と地域にまたがる国際的な統合パートナーシップとして、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供しています。
より詳細な調査結果は、以下のリンクからご確認いただけます。
最新の調査結果の詳細はこちら
Forvis Mazars in Japanは、東京都に350名以上の専門家を擁し、監査、税務、アドバイザリー、アウトソーシングサービスを国内外の幅広い業界のクライアントに提供しています。
詳細は forvismazars.com および forvismazars.com/jp をご覧ください。



コメント