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JICが「JICモデルタームシート」を公表、国内VCファンドの発展とスタートアップエコシステム強化へ

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公表の背景と目的

JICは、リスクマネーの好循環を実現するための取り組みを進めています。特に、成長段階にあるスタートアップへの十分な資金供給を確保し、そのために資金規模の大きい機関投資家からの資金供給を拡大することが重要であると認識されています。この目的を達成するため、JICはこれまでも機関投資家からの資金受託を行うVCの拡大を目指して投資活動を行ってきました。

今回のモデルタームシートは、機関投資家が一般的に求めるファンド組合契約上の主要条件を整理したものです。2025年3月にJICが公表した「投資に関するガイドライン」に続く位置づけであり、国内外の機関投資家からの受託という視点に特化し、契約条件を明確化しています。これにより、健全なガバナンスの確保、およびジェネラル・パートナー(GP)とリミテッド・パートナー(LP)との適切な利害一致の実現を目的としています。

国内では、VCファンドに対する国内外の機関投資家からの投資が依然として限定的であり、純投資を目的とするLPにとって必ずしも望ましいとは言えない契約条件が組合契約(LPA)に含まれている事例も確認されています。JICは、このモデルタームシートの公表が、国内VCファンドにおける機関投資家からの受託拡大につながり、日本のスタートアップ・エコシステム全体の持続的な発展に資するものと考えています。

「JICモデルタームシート」の概要

本モデルタームシートは、VCファンドを前提として策定されています。バイアウトファンド等への投資においても共通する基本的な考え方はありますが、投資戦略の違いから同一の条項構成や内容を想定するものではありません。

モデルタームシートには、以下の主要な項目が含まれています。

ファンドの経済条件

分配ウォーターフォール、優先分配、成功報酬、借入、再投資、GPクローバック、管理報酬、管理報酬以外のフィー収入、組合費用、現物分配などが詳細に規定されています。例えば、分配ウォーターフォールはファンド全体を合算するヨーロピアン型を基本とし、GPクローバックの明確な開示と連帯保証責任を求めています。

ファンドの経済条件等

ファンドガバナンス

フィデューシャリーデューティ、ファンド運営における投資制限(1社への投資集中制限、業界集中制限、地域外投資制限など)、契約修正、利益相反防止、LP諮問委員会、投資家集会、払込不履行LP、LP投票に関する規定が含まれています。GPによる利益相反行為の防止や、LP諮問委員会の役割と権限の明確化が重視されています。

ファンドガバナンス

ファンド運営に関わる財務報告

四半期報告と年次報告の義務が定められており、報告内容には未監査の損益計算書・貸借対照表、LPの資本計算書、監査済み財務諸表、IRR計算、GPが受領済みの成功報酬の明細と履歴などが含まれます。これにより、LPへの透明性の高い情報開示が促されます。

ファンド運営に関わる財務報告

今後の展望と留意事項

本モデルタームシートは、今後も実務の実態等に応じて予告なく修正・改訂される可能性があります。内容を確認する際は、JICのウェブサイトで開示されている最新版を参照することが推奨されます。

JICからの出資を希望するGPには、原則として、本モデルタームシートの考え方に沿った組合契約(LPA)を事前に準備することが期待されています。

株式会社産業革新投資機構(JIC)について

JICは2018年9月、産業競争力強化法に基づき発足した投資会社です。Society5.0に向けた新規事業の創造推進、ユニコーンベンチャーの創出、地方に眠る将来性ある技術の活用、産業や組織の枠を超えた事業再編の促進を重点投資分野としています。傘下のファンドや民間ファンドへのLP投資を通じてリスクマネーを供給し、日本のオープンイノベーション推進、産業競争力強化、投資エコシステム拡大に貢献することを目指しています。

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