市場変動期における投資家行動の多様化
市場のボラティリティが高い環境下においても、日本の投資家は長期的な視点を維持する傾向が見られます。アジア太平洋地域の投資家の5人に1人(20%)が市場のボラティリティは自身の投資行動に影響を与えないと回答しましたが、日本ではこの割合が3人に1人(33%)とさらに高くなっています。また、ボラティリティの影響を受けている資産をすぐに売却すると回答した投資家は、日本で5%にとどまり、短期的な売却に踏み切る投資家は少数派であることが示されました。
一方で、市場のボラティリティに対して慎重な姿勢を取る投資家も存在し、アジア太平洋地域全体の25%が一時的に投資を止めて状況を伺うと回答しました。特に日本では26%が同様の行動を取る傾向が見られます。さらに、市場の変動を投資機会と捉える投資家もおり、アジア太平洋地域では15%が影響の大きい分野や地域での投資を積極的に検討し、日本でも11%が同様の姿勢を示しています。

株式市場への期待と自国市場への偏り
地政学的リスクや供給制約により短期的な市場の不確実性が高まる中でも、今後12か月の株式市場に対する見通しは、楽観視する投資家の割合が悲観視する割合を大きく上回っています。グローバルでは55%が楽観的、日本では50%が楽観的と回答しました。
調査では、投資家のポートフォリオにおいて、自国市場への投資比重が高い傾向も示されています。アジア太平洋地域の投資家は、自国市場にポートフォリオの61%を配分しており、日本の投資家ではこの割合が53%と最も高く、次いで米国市場が22%となりました。このような結果は、自国市場への親近感を反映する一方で、リスク管理や投資機会の拡大という観点から、地理的な分散投資の余地が依然として大きいことを示唆しています。

成長分野としてのテクノロジーとAIへの注目
長期的かつ構造的な成長トレンドを見極める重要性が高まる中、テクノロジーおよびAI分野は、日本を含むアジア太平洋地域のすべての市場で最も有望な投資分野と認識されています。今後12カ月間で高い投資利回りが見込めると回答した投資家はアジア太平洋地域全体で61%、日本でも47%に達し、エネルギー(31%)や金融(22%)を上回りました。
AI関連投資について「バブル圏にある」との見方も見られますが、今後12か月以内に大幅な調整が生じると懸念する投資家は、アジア太平洋地域全体で45%、日本では33%にとどまりました。アジア太平洋地域の投資家の51%が今後AIへの投資を増やす意向を示しているのに対し、日本では26%にとどまり、AI分野への関心は高いものの、実際の投資行動では相対的に慎重な姿勢がうかがえる結果となっています。

ボラティリティの高い市場環境下で投資家が留意すべき3つの原則
フィデリティ・インターナショナルは、市場の変動期において投資家が留意すべき3つの原則を提示しています。
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投資を継続する
市場の変動は投資家に様子見を促しますが、市場から退出すると回復局面を逃す可能性があります。過去のデータは、大きな下落局面を経ても市場が回復し、新たな高値を更新してきたことを示しています。継続的な投資は、長期的な成長の享受を可能にします。
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分散(地域・分野)投資をする
自国市場は馴染み深い存在ですが、リスク管理と長期的なリターンの安定化には分散投資が不可欠です。市場変動時に異なる値動きをする資産や市場へ投資を配分することが重要です。 -
相場のタイミングを狙うのではなく、長期的な視点を持ち投資する
短期的な市場下落の局面では、割安な水準で投資できる機会が生じる場合がありますが、そうしたタイミングを継続的に捉えることは困難です。市場の一時的な変動に左右されずに長期的な動向を見据えて投資を継続する投資家は、市場回復局面においてより大きなリターンを得る傾向が見られます。主要株価指数の分析からも、市場が大きく上昇する局面における投資継続の有無が、長期的なリターンに大きな影響を与えることが示されています。
フィデリティ投信およびフィデリティ・インターナショナルについて
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