肌へ“選んで届く”「温度応答性ナノマシン搭載ナノマシンコスメ®」が発売
医療機関専売のメディカルコスメ・ドクターコスメの専門メーカーである株式会社アイ・ティー・オー(以下、ITO)は、肌へ“選んで届く”時代を拓く「温度応答性ナノマシン」を搭載した「ナノマシンコスメ®」を発売します。
学会共催セミナーでの発表
ITOは、以下の学会において共催セミナーを開催し、ナノマシンコスメ®の詳細を発表します。
第69回形成外科学会総会・学術集会 ランチョンセミナー25
-
講演テーマ: ビタミンC最前線、温度応答性スマートナノカプセル(ナノマシン)の化粧品への応用
-
日時・会場: 2026年4月24日(金) JRホテルクレメント徳島 4F クレメントホール西【第6会場】
-
座長: 慶應義塾大学 医学部 形成外科学教室 教授 貴志 和生 先生
-
演題:
-
長瀬 健一 先生(広島大学 大学院医系科学研究科 教授)
-
黒川 一郎 先生(医療法人信和会 明和病院 皮膚科部長・にきびセンター長)
-
森 文子 先生(クリニックモリ 院長)
-
佐藤 木香(ITO 開発・製造部 研究員)
-
第125回日本皮膚科学会総会 モーニングセミナー6
-
講演テーマ: ビタミンC最前線、温度応答性スマートナノカプセル(ナノマシン)の化粧品への応用
-
日時・会場: 2026年6月13日(土) 国立京都国際会館 2F RoomB-2 【第8会場】
-
座長: 近畿大学 名誉教授 / 寺田萬寿病院 皮膚科 川田 暁 先生
-
演題:
-
長瀬 健一 先生(広島大学 大学院医系科学研究科 教授)
-
黒川 一郎 先生(医療法人信和会 明和病院 皮膚科部長・にきびセンター長)
-
山本 鴻貴(ITO 開発・製造部 研究員)
-
これらのセミナーでは、ナノマシン技術の基礎研究から化粧品への応用、そして臨床結果までが紹介される予定です。
温度応答性ポリマー技術の背景
ナノマシンコスメ®の基盤となるのは、広島大学の長瀬健一教授らが研究を進める「温度応答性ポリマー」です。このポリマーは、人の体温近くの温度で物性が変化する特性を持ち、再生医療分野での細胞シート開発などに応用されています。
ITOは、約10年前からこのDDS(ドラッグデリバリーシステム)カプセルの研究に注目し、化粧品原料への応用に関する研究を行ってきました。
長瀬教授らの基礎研究では、特定の遺伝子の働きを抑えるsiRNA(small interfering RNA)を体内の必要な場所へ効率的かつ安全に届けるための運搬システムが検討されました。siRNAは体内で分解されやすく、細胞膜を通過しにくいという課題があります。そこで、温度で性質が変化するポリマー(温度応答性ポリマー)を表面に付加したリポソームが用いられました。
温度応答性ポリマーのメカニズム
この研究では、温度応答性ポリマーが低温では広がり、高温では縮むことで、リポソーム表面の性質が変化する仕組みが示されています。

図1に示されるように、通常温度では水溶性のポリマーがリポソームを液相に分散させますが、温度刺激によりポリマーが疎水性に変化し、リポソームの細胞親和性が増加すると考えられます。
実験では、37℃ではポリマーがリポソーム表面を覆うため細胞への取り込みが抑制され、42℃ではポリマーが縮むことで細胞膜との接触が容易になり、siRNAの細胞内への取り込み量が大きく増加することが確認されました。これにより、温度を利用してsiRNAの細胞内導入を制御できることが明らかになりました。

図2は、温度応答性ポリマーリポソームが42℃で細胞内蛍光が顕著に増加し、有効成分の取り込み率が上昇した様子を示しています。この技術は、体温では安定し、特定の部位でのみ細胞に取り込まれるため、副作用を抑える上で大きな利点を持つと期待されます。
ナノマシンコスメ®への応用
ITOは、長瀬教授らの基礎研究を発展させ、世界で初めて温度応答性ポリマーDDSカプセルを配合した化粧品「ナノマシンコスメ®」(特許7497850)の開発に成功しました。
ITOはこれまでも、両親媒性のビタミン誘導体をナノカプセルに導入した抗酸化DDS製剤「ナノスフィア®」を化粧品に応用してきました。ナノスフィア®は、酸化されやすい主成分を保護し、皮膚内へ安定的に持続供給できるという特徴があります。今回のナノマシンは、このナノスフィア®の進化の延長線上にあり、さらなる効果の向上が期待されます。
ナノマシンの定義とメカニズム
ITOはナノマシンを「平均粒子径が50~500nmの界面活性作用のある膜から構成された乳化粒子又はミセルであり、単相又は二重以上の膜で覆われた球体が溶媒中で分散している形態をとり、さらに、その膜上には、環境応答性ポリマーなどのセンサー機能を持つ成分や細胞上のレセプターと容易に結合できるビタミンやペプチドを含み、ターゲットとなる細胞に対して高頻度で内包成分を送達できる輸送体」と定義しています。これは「高機能性乳化粒子」や「スマートナノカプセル」とも表現できます。

図3は、ナノマシン製剤の種類と主要な配合成分の一例を示しています。
ナノマシンは、有効成分を目的の細胞へ高濃度で届けることを目指します。そのメカニズムのイメージは以下の通りです。

-
A: 通常の化粧品の有効成分(特に水溶性成分や高分子量の有効成分)は、皮膚バリアを通過しにくいと考えられています。
-
B: 従来の乳化粒子は皮膚バリアを通過できますが、多くは皮膚組織を通過し、毛細血管を通じて体内全体に拡散すると考えられます。
-
C: 温度応答性ポリマーとビタミンC・E誘導体を膜表面に内包するナノマシンは、皮膚に浸透すると、皮膚細胞のビタミンCレセプターと結合し細胞膜表面に留まりやすくなり、皮膚細胞に高い頻度で取り込まれると考えられます。レセプターに捕まらずにすり抜けたナノマシンは、体温を感知し皮膚組織内でその一部は膜表面が疎水性化して皮膚細胞に取り込まれやすくなり、一部は自己崩壊し内容物を強制放出させるため、周囲の皮膚細胞がこれを取り込む確率が高まると考えられます。
このような複合的なメカニズムにより、ナノマシン製剤は内容物を皮膚細胞内に積極的に送達できる輸送体となることが期待されます。学会で発表される皮膚細胞実験結果と臨床結果は、これらのナノマシンの皮膚細胞に対する効果を裏付けるものになると考えられます。
発売予定の製品
ナノマシンコスメ®シリーズとして、以下の2製品が発売されます。

-
商品名: インテリジェントドロップ (TM) ECローション(100mL)
- 主要成分: GO-VC®、APPS、TPN、VC-IP、温度応答性ポリマー
-
商品名: スマートドロップ (TM) APローション(100mL)
-
主要成分: GO-VC®、APS、VC-IP、温度応答性ポリマー
これらの新製品は、肌への“選んで届く”アプローチにより、次世代のスキンケアを実現することを目指しています。



コメント