参画の背景と目的
国債レポ市場は、金融機関による短期資金調達・運用、担保管理、流動性供給を支える重要な市場インフラです。Progmatの発表によると、国債を担保としたグローバルなレポ市場は2024年末時点で約16兆ドルの残高があり、日本市場はその約10%を占めています。
一方で、日本国債は既存の制度・決済インフラが高度に整備されているため、単に国債をトークン化するだけでは十分な実需を生み出すことは容易ではないとされています。トークン化国債とステーブルコインを組み合わせることで、T+0でのポジション構築・クローズ、日中の資金効率向上、担保管理・時価評価・清算・決済の一体化といった、新たな市場インフラの形成につながる可能性があります。
Secured Financeの役割
本WGでは、TJGBの方法論や、レンディングプロトコルを用いたオンチェーン・レポ取引の各種取引形態・参加エンティティについて、法律・会計・税務・実務・技術の各観点から具体的な整理が行われる予定です。
Secured Financeは、レンディングプロトコル領域の参加予定組織として、以下の知見を提供し、本WGでの検討に貢献するとしています。
-
オンチェーン・レンディング市場の設計
-
トークン化資産を担保とする資金取引のライフサイクル設計
-
担保管理、時価評価、清算・決済に関するプロトコル設計
-
ステーブルコインをキャッシュレグとする取引構造の検討
-
機関投資家の利用を想定したオンチェーン市場インフラに関する要件整理

市場設計上の意義
Secured Financeは、トークン化国債・オンチェーンレポの意義は、既存のレポ取引を単にオンチェーン上に置き換えることにとどまらないと考えています。高品質な担保資産である国債、ステーブルコイン等のデジタルキャッシュ、そして既存金融市場で求められる実務・契約・リスク管理を、リアルタイムに接続する市場インフラを設計することが重要であると述べています。
オンチェーン上で、担保差入、貸借、時価評価、清算、返済、担保受戻までの取引ライフサイクルを一体的に扱うことができれば、機関投資家向けの担保付資金取引市場(secured financing market)の新たな発展につながる可能性があるとしています。
Secured Financeは、こうした市場設計において、既存金融の実務と整合したレンディングプロトコルおよび関連技術の開発を通じて、機関投資家向けオンチェーン金融インフラの実現に貢献するとしています。
代表コメント
Secured Finance AG Founder & CEOの菊池マサカズ氏は、次のようにコメントしています。
「トークン化日本国債とステーブルコインを用いたオンチェーン・レポ取引を、機関投資家が実際に利用できる形で設計することは、オンチェーン金融を“概念”から“実運用の市場インフラ”へ進める重要な一歩です。国債レポは、金融市場の流動性と資金効率を支える中核的な取引であり、オンチェーン化の価値は、単なる既存業務の置換ではなく、担保管理・時価評価・決済をリアルタイムに接続できる点にあります。Secured Financeは、既存金融の実務・契約・リスク管理と整合したレンディングプロトコル設計を通じて、機関投資家向けオンチェーン金融インフラの実現に貢献してまいります。」
今後の展開
本WGは、2026年5月にキックオフし、2026年10月に報告書を公表することを目標としています。Secured Financeは、本WGでの議論に参加するとともに、トークン化国債およびステーブルコインを活用したオンチェーン・レポ市場設計に関する技術的・市場構造上の考え方についても、適切なタイミングで発信していく予定です。
なお、本リリースは、Secured Financeの本WGへの参画に関する発表であり、特定の商用サービスの開始、特定プロダクトの採用、または非公開の実証実験の内容を公表するものではありません。
Secured Finance AGについて
Secured Finance AGは、スイス・ツークを拠点に、ブロックチェーン上で担保付資金取引(secured financing)を実現するためのレンディングプロトコルおよび関連技術を開発する企業です。同社が開発するSecured Financeプロトコルは、オンチェーン・レンディング、担保管理、時価評価、清算・決済、取引ライフサイクル管理を支える技術基盤として設計されています。Secured Finance AGは、トークン化資産とステーブルコイン等のデジタルキャッシュを接続し、金融機関・機関投資家による利用を想定したデジタル金融市場インフラの構築を目指しています。



コメント