政治家の「答えない」技術を解き明かす
「議論を加速していく」「丁寧に説明していく所存です」といった政治家の発言は、一見すると丁寧な印象を与えますが、具体的に何を言っているのか不明瞭なケースが少なくありません。本書では、国会答弁や記者会見、演説に潜むこのような「政治家構文」を具体例を交えて解説します。
責任を曖昧にする、論点をずらす、抽象的な言葉でごまかす、手続きの話にすり替えるなど、政治家の言葉が分かりにくくなる仕組みが明らかになります。
本書で取り上げられる構文の例として、以下のものがあります。
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安倍晋三氏に見られる「真摯に受け止める」責任回避構文

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岸田文雄氏に特徴的な「丁寧に検討します」で結論を先送りする構文
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石破茂氏に表れる「詳しいのに伝わりにくい」説明構文
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小泉進次郎氏に典型的な「意味があるようで意味がない」ポエム構文
構文の背景にある社会構造と、それを打破する言葉
本書の魅力は、単に政治家の言い回しを並べるだけにとどまりません。なぜ人々は、答えになっていない言葉に納得してしまうのか、なぜ中身の乏しい言葉がもっともらしく聞こえるのか、その背景にある政治、メディア、社会の構造まで視野に入れて解説しています。
また、構文に依存しない政治家たちの言葉にも注目し、以下のような例を紹介しています。
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小泉純一郎氏の「ぶっ壊す」に始まるワンフレーズ政治
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高市早苗氏の「強さを言葉に織り込む」技法
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神谷宗幣氏の「使命感で聴衆を巻き込む」語り
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玉木雄一郎氏の「中道と品位を備えた」発信
日常にも役立つ「言葉を見抜く力」
政治家の言葉を見抜く力は、政治の世界だけでなく、会議、交渉、プレゼン、上司への説明といった私たちの日常生活にも応用できます。本書を読むことで、言葉の印象に流されず、その中身と責任を見抜く視点が身につくと期待されます。


書誌情報
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タイトル:『政治家の「答えない」技術』
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著者:森川友義(もりかわ とものり)
- 元早稲田大学国際教養学部教授、政治学博士。1955年群馬県生まれ。早稲田大学政経学部卒、ボストン大学政治学修士号、オレゴン大学政治学博士号取得。国連勤務後、米国ルイス・クラーク大学助教、オレゴン大学客員准教授等を経て、現在に至る。専門は日本政治、恋愛学、進化政治学。
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定価:1,100円(税込み)
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発行:扶桑社
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発売日:2026年4月24日(金)
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ISBN:978-4594102791



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