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『石橋湛山との対話』刊行:米中対立、台湾海峡の緊迫から歴史の教訓を導く

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なぜ今、石橋湛山なのか

本書は、二つの大戦と戦後を通じ、言論統制の激しい時代においても「自由主義」を貫き、警鐘を鳴らし続けた石橋湛山の言葉を、現代の視点から再解釈します。編著者の船橋洋一氏は、本書の「あとがき」で、現代が100年前の時代と「韻を踏んでいる」かのような類似性を指摘しています。経済停滞と所得格差の拡大、メディア環境の激変、ポピュリズムとナショナリズムの激化、自由主義と民主主義の動揺といった現象は、過去に経験し、挫折した挑戦そのものではないかと問いかけます。

湛山が戦前・戦後の荒波の中でいかにして本質を見抜き、独自の論考を組み立てたのか。その時代を見通す力と問題意識を深く考察することで、「今、目前にある危機脱出のヒント」が解き明かされます。

本書の「イントロダクション」では、「自由は秩序があってこそ成り立つ」という湛山の思想が紹介されています。国民が国家の経営者としての自覚を持ち、義務を果たすことで初めて、自由主義の組織原則を使いこなせるとの考えが示されています。

石橋湛山(1884-1973)とは

石橋湛山は、第55代内閣総理大臣を務めた政治家であり、ジャーナリストです。1884年に東京で生まれ、早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。その後、主幹、社長を歴任しました。戦後は政界に進出し、大蔵大臣、通産大臣を経て、1956年12月には首相に就任しています。

石橋湛山氏のポートレート

彼は、特定のイデオロギーに左右されず、生涯を通じて徹底した現実主義のもとで独自の「自由主義」を貫きました。戦前、日本が領土拡張に沸き立つ中で、いち早く植民地の放棄と平和的な経済立国を唱える「小日本主義」を提唱し、日本の未来を予見したことでも知られています。現代日本において、彼の遺した言葉は確かな重みをもって迫ります。

本書の構成と執筆陣

本書は、元朝日新聞社主筆の船橋洋一氏(編著)をはじめ、政治、経済、地政学、国際秩序、民主主義など各界の専門家総勢10名が執筆しています。湛山の論考を現代の観点から再検証し、歴史の教訓から未来の針路を導き出す一冊です。

目次

  • イントロダクション 「近来の世相ただ事ならず」 船橋 洋一

  • 第1章 新秩序をめぐる功利主義的アプローチ 益尾 知佐子

  • 第2章 対米追随でも、対米強硬でもなく 三牧 聖子

  • 第3章 「小日本主義」と中国観 岡本 隆司

  • 第4章 東アジア地政学の変遷と現実 千々和 泰明

  • 第5章 日本外交のオルタナティブを求めて 井上 正也

  • 第6章 超国家主義と超個人主義のポピュリズム 筒井 清輝

  • 第7章 リアリズム政治の重要性 境家 史郎

  • 第8章 国民の生産力を基本とする経済思想 牧野 邦昭

  • 第9章 リベラルな国際秩序を擁護する 細谷 雄一

著者プロフィール(一部抜粋)

  • 船橋 洋一【編著】:東京大学教養学部卒業後、朝日新聞社で北京特派員、ワシントン特派員などを経て主筆。独立系シンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ」設立者。

  • 益尾 知佐子【執筆】:九州大学大学院比較社会文化研究院教授。

  • 三牧 聖子【執筆】:同志社大学大学院 グローバル・スタディーズ研究科教授。

  • 岡本 隆司【執筆】:早稲田大学教育・総合科学学術院教授、京都府立大学名誉教授。

  • 細谷 雄一【執筆】:慶應義塾大学法学部教授。

書籍概要

  • 書名:『石橋湛山との対話』

  • 編著:船橋 洋一

  • 執筆:益尾 知佐子、三牧 聖子、岡本 隆司、千々和 泰明、井上 正也、筒井 清輝、境家 史郎、牧野 邦昭、細谷 雄一

  • 定価:3,300円(税込)

  • 発売日:2026年7月1日

  • ISBN:978-4-492-06229-6

  • 体裁:四六版/上製/312頁

  • 発行元:株式会社東洋経済新報社

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