イメージ先行のサプリメント選びへの警鐘
日本国内では、男性更年期対策に関する正しい知識がまだ十分に浸透しているとは言えない現状があります。例えば、男性の活力ケアとしてマカや亜鉛といったサプリメントが人気を集めていますが、実際の研究データでは、これらのサプリメントを摂取してテストステロンを大きく向上させることは難しいと示唆されています。
薬剤師の牛尾真智子氏は、マカについては高用量を3ヶ月間継続摂取した臨床試験でもテストステロン値の向上は確認されなかったと解説しています。また、亜鉛はテストステロン生成に不可欠な必須栄養素であるものの、その役割は食事からの「不足を補う」ことに留まると説明しています。亜鉛が不足していない健康な男性がサプリメントで大量摂取しても、テストステロンが限界を超えて向上しなかったというデータも報告されており、データに基づかないイメージ先行の成分選択は、期待通りの結果が得られない可能性があると指摘されています。
専門家が提唱する男性更年期対策サプリの選び方
牛尾氏は、サプリメントを選ぶ際には、イメージに頼るのではなく「研究データを基に有用性が期待でき、かつ継続摂取において懸念がない素材」を選ぶことが重要であると語っています。具体的には、以下の3つの条件を満たす製品が推奨されています。
- 体内で活性を持って働く「遊離テストステロン」の向上が研究データで確認されている素材:不調の根本原因へのアプローチが確認されていることが重要です。
- 国際的な指標である「AMSスコア(男性更年期スコア)」の改善データがあること:実際のお悩みへのアプローチが確認されている素材を選ぶことが有用です。
- 継続を前提とした「安全性」:テストステロンを高めると謳う海外サプリメントの中には、日本ではリスクが高いとして「医薬品成分」に指定されているものが含まれるケースがあると指摘されています。健康被害を避けるため、日本のガイドラインに基づいて製造された製品を選ぶよう注意が促されています。
薬剤師がおすすめする3つの男性更年期対策素材
牛尾氏は、サプリメントを選ぶ際は商品名やブランドイメージではなく、「どのような素材が使われているか」を確認することが最適であると述べています。これは、テストステロンやAMSスコアの研究が、実際に販売されている製品ではなく素材(成分)単位で行われるためです。インタビューでは、試験で好ましいデータが報告されている優秀な素材として、以下の3つが厳選して紹介されています。
テストインクリース(Testncrease)
テストインクリースは、キンバイザサとフェヌグリークの植物エキスをブレンドした混合抽出物です。臨床試験では、90日間の摂取で遊離テストステロンが74.12%向上したというデータが報告されています。また、国際勃起機能スコア(IIEF)が106%向上したという男性機能面に関するデータも豊富に保有しており、気力の低下だけでなく、ナイトパフォーマンスの低下に悩む男性におすすめの素材です。

テスノア(Tesnor)
テスノアは、ザクロとカカオのエキスを特定の割合で配合した混合抽出物です。遊離テストステロン値が48%向上するという結果に加え、男性更年期の客観的指標であるAMSスコアが19.30%改善したというデータが報告されています。さらに、臨床試験ではストレススコア26%減少や睡眠の質スコア(PSQI)の35%改善といったデータも確認されており、総合的に男性更年期をケアしたい男性や、サプリメント選びに迷っている男性に推奨されています。
ZMA
ZMA(ゼットエムエー)は、テストステロン生成にダイレクトに関連する亜鉛、マグネシウム、ビタミンB6を特定の割合で組み合わせた成分です。必須ビタミンやミネラルが不足するとテストステロンが低下するリスクが高まるため、食事が偏りがちな男性は不足分を適切に補給することが重要です。実際に、必須ビタミン・ミネラルを多量に消費するため不足しやすいアスリートにZMAを摂取させた試験では、遊離テストステロン値が33.50%向上したデータも存在します。ZMA単体で栄養不足を解消することはもちろん、テスノアなどのテストステロン系素材と組み合わせて摂取することで、より多方面からテストステロンにポジティブな影響を与えられるとアドバイスされています。

サプリだけに頼るのはNG!生活習慣の積極的改善の重要性
牛尾氏は、テストインクリースやテスノアといった優秀なデータを持つ素材を取り入れることの有用性を認めつつも、「サプリメントを飲むだけで全て解決するわけではない」と断言しています。体内のテストステロン量はサプリメントの摂取だけで決まるものではなく、日々の生活の土台があってこそ、そのポテンシャルが最大限に引き出されると解説されています。
サプリメントの効果を後押しするために意識すべき具体的な生活習慣として、以下の4点が挙げられています。
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週2~5回の運動:ウォーキングなどの有酸素運動や、無理のない範囲での筋力トレーニングで筋肉に刺激を与えること。
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6〜7時間以上の睡眠:テストステロン生成の最大の敵である寝不足を防ぎ、良質な睡眠時間を確保すること。
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質の悪い脂質の制限:肥満を招きテストステロン低下を加速させる酸化油や過剰な脂質(ジャンクフードなど)を控えること。
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太陽光を浴びる:日光を浴びることでテストステロンと関わりの深い「ビタミンD」を体内で生成し、体内時計をリセットすること。
一度に全てを完璧にこなそうとするのではなく、データに基づくサプリメントを味方につけながら、できるところから少しずつ習慣を見直すことが、無理なく若々しさと活力を取り戻すための近道であると牛尾氏は語っています。
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監修者プロフィール

牛尾 真智子(うしお まちこ)
薬剤師 兼 公認スポーツファーマシスト。製薬会社2社で乳がん・肺がん・大腸がんなど8つの抗がん剤領域を経験。現在は薬剤師としての専門知識を活かし、SNSでのヘルスケア啓発やコンサルティングを実施しています。メンタルケアカウンセラーなど数多くの医療や健康に関する資格を保有し、多角的な視点から現代人の心身の健康をサポートしています。



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